照ノ富士春雄の生い立ち。奇跡の復活優勝から令和初の横綱へ

スポーツ

度重なる膝のケガと闘いながら強靭な精神力で幾度も這い上がってきたスーパーマンこと、照ノ富士春雄

横綱昇進伝達式において、述べた口上のとおり不動心を心がけ、横綱の品格、力量の向上に努めてくれるものと信じています。

今回はそんな、愛すべき孤高の関取照ノ富士について探っていこうと思います。

照ノ富士のプロフィール

照ノ富士 春雄(てるのふじはるお)
本名: ガントルガ・ガンエルデネ
生年月日: 1991年11月29日
出身: モンゴル人民共和国・ウランバートル
身長: 192cm
体重: 178kg
血液型:O型
所属部屋: 間垣部屋 → 伊勢ヶ濱部屋
得意技: 右四つ・寄り
最高位は横綱


2007年、日本に観光旅行に来た際、偶然にも相撲部屋関係者に声をかけられて稽古を見学したところ、大相撲の世界にはまってしまい、観光はそっちのけで相撲見学ばかりしていたそうです。

学業の成績も良くて技師になってほしかったお母さんの期待を裏切る形になってしまいましたが、日本に相撲留学することを決意し、2009年3月に来日。

鳥取城北高校に編入し、本格的に相撲を始めることになり、高校3年の全国高等学校総合体育大会相撲競技で、鳥取城北高校の団体メンバーの一人として優勝に貢献しました。

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関取を目指し、相撲部屋へ入門

照ノ富士関は、2010年にプロとなるべく間垣部屋に入門しました。

幕下昇進まで全ての段を1場所で通過するなど順調な出世を見せ、2013年3月場所限りで間垣部屋から伊勢ヶ濱部屋に移籍すると、稽古環境が充実したこともあってか、2場所連続で6勝1敗の成績を上げ、十両に昇進します。

初土俵から関取に昇進するまでは、「若三勝」の四股名を名乗っていたのですが、新十両昇進と同時に四股名を今の師匠の旭富士(伊勢ヶ濱親方)と、現役時代は伊勢ヶ濱部屋の所属だった照國という2人の横綱にちなんで「照ノ富士」と改めます。

新十両として迎えた9月場所も勢いは止まらず12勝3敗で相星となり、優勝決定戦を制して十両優勝を果たします。

2014年1月場所は西十両筆頭で12勝3敗の好成績を挙げ、翌3月場所で新入幕を果たし、2015年1月場所は東前頭2枚目で8勝7敗の成績で、自身初の三賞となる敢闘賞を受賞しました。

翌3月場所は新三役、小結の地位を通り越して関脇昇進を果たすこととなり、翌5月場所では12勝3敗で初の幕内最高優勝を成し遂げます。

その結果、5月27日の番付編成会議および理事会において、満場一致で平成生まれ初の大関が誕生しました。

好事魔多し、試練の始まり・・・

ここまでは、順風満帆に事が運び、このまま横綱まで一気に上り詰めるかと思われた矢先、2015年、取り組みの際に、右膝の前十字靱帯損傷・外側半月板損傷に見舞われます。

怪我も治ったと思われた2016年1月場所、4日目の碧山戦で寄り切りで勝った際に今度は、右肩を負傷、右鎖骨骨折と診断され、休場を余儀なくされます。

それと同時に、以前から傷めている左膝の内視鏡手術を決行。膝の故障に苦しめられ、古傷の左膝半月板の状態が思わしくなく相撲を取れない状態が続き、稽古をしながら徐々に直していく方向で調整することにしました。

2017年場所後には、古傷の左膝の遊離軟骨を除去する内視鏡手術を受け、一時は土俵に復帰するものの、またもや左半月板損傷で約7週間の診断で、来場所の出場さえ厳しいほどの重症で14場所務めた大関から陥落が決定してしまいます。

その後、東前頭10枚目まで番付を落とした2018年1月場所でも、身体の状態は悪く1月16日に「2型糖尿病、約1週間程度の療養を要す」との診断で休場8敗7休で終わり、大関陥落からわずか2場所での十両転落となりました。

十両転落後も、膝の負傷と糖尿病のため体の状態は相変わらず悪く、4日目に左膝外側半月板損傷により休場に追い込まれ幕下陥落が濃厚となり、結局この場所は再出場後も一勝もならずに9敗6休の結果で終了。

左膝の痛みに加え、糖尿病に加え腎臓結石も患っている状態で、さらにこの時期にはC型肝炎の治療を継続して行っていることも明らかになり、まさに満身創痍で引退を考えるようになります。

大関経験者、幕内最高優勝経験者が幕下に陥落するのは照ノ富士が初めての事例で、3度目の膝の手術をした頃はトイレに自力で座れないほどの状態で翌3月場所で西序二段48枚目へと陥落になりました。

序二段陥落は大関はおろか三役経験者としても初めての事例でした。

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照ノ富士、奇跡の復活

休場明けで、膝の状態もなんとか良くなってきた2019年11月場所は、西幕下10枚目で7戦全勝優勝となり幕下優勝を飾ります。

日本相撲協会は、11月27日の番付編成会議で照ノ富士の10場所ぶりの関取復帰を決定します。

大関経験者、幕内経験者、幕内最高優勝経験者の序二段からの関取復帰はいずれも史上初となり2020年1月場所は、13勝2敗で十両優勝を飾りました。

7月場所は幕尻の東前頭17枚目で迎え、幕内復帰後初の場所5年振り2回目の幕内最高優勝を果たし、強靭な精神力で奇跡の復活を遂げました。

そして、大相撲11月場所13日目は、2020年11月20日東京・両国国技館で行われ、照ノ富士(28)が竜電(30)に勝ち2敗を守りました。

両膝に不安を抱える中で「体が勝手に動いてるだけ」と慎重な発言をしていますが、心は賜杯に向かって熱く燃えているはずです。逆転優勝に向けて残り全部勝ってください。ガンバレ!照ノ富士!

追記:

2021年の名古屋場所で14勝1敗の成績を修め、見事横綱に推挙されました。


幾たびかのケガを克服して地獄を見た力士は、大相撲の精神を後世にまで継承していけると信じています。

これからも観客を大いに沸かせる取り組みを期待しています。

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